たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
...!電話!知らない番号から電話だ!



「もし、もし!」


「あっ。今日のサイン会でマネージャーさんから連絡先渡されたんですけど...。」


「それ、オレ!オレです!」



オレオレ詐欺か!
動揺して思わず変なことを口走ってしまう。

というか、日本語?



「日本人、じゃないよね。
日本語話せるの?」


「台湾人です。
ヒデ...さんのファンだから、日本語勉強しました。
私の日本語、大丈夫ですか?」


「うん!日本語上手だね。
俺の中国語より上手だったりして、アハハ。」



発音に少しくせがあったから日本人じゃないとは分かったけど、
文法も合っているし、上手だと思う。


外国で活動する俺にとって母国語で話しかけられるのは、やっぱり嬉しい。
たとえ片言でもわざわざ勉強してくれたのかと思うとジーンとくるものがある。

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