たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
ヒョンス視点


清く、正しく、誠実に。
そう生きられたらどんなに良かっただろう。

今日も俺は嘘を積み重ねる。





「オッパ、愛してるよ。」


「......。」


「どうしたの、オッパ?」


「...ん、俺も愛してるよ、ユナ。」



約束をしたわけでもないのにほとんど毎日電話して、
そして義務のようにこの会話を繰り返す俺たち。

どんなに愛してると言ったって彼女の気持ちはとっくに俺から離れてしまったというのに。


韓国で主に活動する彼女と、中華圈を中心に活動する俺。
なかなか会えなくて、心が離れてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。

いや、それでなくたって俺たちは...。


もっと前から終わっていたんだ。

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