たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「うっ......うっ......みんなひどい。
ユナー、会いたいよ......」


話を聞いてくれない二人から逃げるように自室に駆け込み、彼女の写真を見ながらベッドの上で泣いた。





......だめだ、だめだ!こんなことじゃ!

俺は何のために台湾にきたんだ!

もう一度韓国でした決意を思い出し、自分を奮い立たせる。

俺は負けない、こんなことじゃ絶対に負けないんだ!

明日から俺はみんなの頼れるリーダーになろう。

そのためには何を犠牲にしても構わない。

そのくらいの覚悟で俺は台湾にきたはずだ。





翌日からメンバー間では中国語で話すことを徹底させたり、ありとあらゆることをしてメンバーとなんとか仲良くなろうと努力した。

そのかいあって、だいぶ俺たちの距離が縮まった頃。

デビュー一ヶ月前に、一番年下の末っ子メンバーになる韓国系アメリカ人のペーターが新たに加入した。

彼がまたクセが強く生意気なヤツだったんだけど......それはともかく俺たちは当初の予定通りデビューを果たすことができたんだ。

八人組ダンスボーカルグループ、Miracleとして。
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