たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
ヒョンス視点


「ヒョンス、リーダーはお前に頼む」


22年間暮らしてきた韓国から台湾にきて一日目、俺は芸能事務所の社長からリーダーに任命された。

一年後には長年の夢だった歌手として、グループでのデビューが決まっている。

社長はまだ中国語に慣れていない俺にも聞き取りやすいようにゆっくりと話す。


「俺でいいんですか?」


「お前が一番年上だし、もう一人同じ年のヤツがいるが......。
シューインは俳優もやっていてグループの活動に参加できないことも多くなると思うから、お前に頼みたい。
国籍もバラバラのメンバーをまとめるのは大変だと思うが......できるか?」


「はい!ありがとうございます!」


台湾事務所のオーディションに合格してから一ヶ月、ひたすら勉強した中国語で元気よく返事をした。

責任重大だけど、がんばらなくちゃ......!

その返事に納得した社長から、これからメンバーとの顔合わせがあるので社長室から移動するように促される。
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