たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
わずかな時間で作戦会議をした結果、
俺たちが直接連絡先を渡したら、スタッフの目はごまかせても他のファンにばれる危険があるので、
マネージャーのサキに連絡先を渡してもらうことにした。

もちろん俺はサキにも焼肉をおごることを約束させられた。





サイン会が終わった後、
予想はしていたけど、全員遠慮せず食べたり飲んだりしたので、支払いが大変なことになった。



今回のことはどう考えても俺のわがままでメンバーやサキに迷惑をかけているので、これくらいで済むなら安いものだ。

安いはず...なんだ。


例の彼女はなんと俺のファンで俺の列に並んでくれた。

俺は合図を送ることで頭がいっぱいで。
せっかく彼女がなにか話しかけてくれたのに何も覚えていない。

とにかく。
俺の合図でサキはすぐ理解してくれて。

彼女は連絡先を受け取ってくれたらしい。




...後は連絡がくるように祈るだけだ。



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