わたしのせかい
人はみんな頑張ってる。
それは全ての人を許す言葉だった。
「どうして嫌いだったんだろう……」
帰り道。
思っていたことを口に出してしまった。周囲には誰もいない。車の音がするだけ。
わたしは嫌いだった。どうしようもなく怠惰なわたしと、わたしを傷つける人のことが。

理解できないものに対する恐れ。弱い自分を認めたくない虚栄心。

わたしは一体どれだけの人を嫌って、強い人間を装っただろう。自分を取り繕うことが苦痛だった。

おばあちゃんのあの言葉がわたしを許し、他も許した。


そして気がついた。
わたしはいつも、誰かに認められたくて、価値を見出されたくて仕方がなかった。


幼いころ。

小学生。

中学生。

高校生。

そして、現在。
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