わたしのせかい
夜に惑う
20歳、大学3年生の秋。
夜。
わたしはケータイをいじる。
ネットの掲示板を見て、今日も相手を探す。
「ミーアさんですか?」
「はい。よろしくお願いします」
わずかに口角を上げて微笑んでみせる。それだけで相手は安心して警戒を解く。
ミーアというのはわたしのネット上での名前。そして狙うのはきまって40歳~50歳代の男性。
「いいの?」
「いいですよ。わたしエッチ好きだし」
平然と微笑む。
初めて会った他人と肌を合わせる。
その瞬間だけでも、相手の男性はわたしに価値を見出す。女性器に。
それでいいと思った。嬉しかった。自分は誰かの役にたっていると思えて幸せ。
「また会える?」
「すみません…同じ人とは会わないって決めてるから」
わたしは誰かに求められた。それで満足。優しくしてくれて嬉しい。
一人暮らしの部屋に帰ると、途端にさみしくなって布団に包まった。暗闇も怖くて。寂しくて。この世から消えてしまいたいとさえ思う。こんな汚れた女なんか誰もいらないでしょう。できることなら最低まで堕ちてしまいたい。
真っ暗なところを目を凝らして見てみると、またなにかが見えてきそうでジッとみつめて夜が明ける。時が過ぎるのは早い。
夜。
わたしはケータイをいじる。
ネットの掲示板を見て、今日も相手を探す。
「ミーアさんですか?」
「はい。よろしくお願いします」
わずかに口角を上げて微笑んでみせる。それだけで相手は安心して警戒を解く。
ミーアというのはわたしのネット上での名前。そして狙うのはきまって40歳~50歳代の男性。
「いいの?」
「いいですよ。わたしエッチ好きだし」
平然と微笑む。
初めて会った他人と肌を合わせる。
その瞬間だけでも、相手の男性はわたしに価値を見出す。女性器に。
それでいいと思った。嬉しかった。自分は誰かの役にたっていると思えて幸せ。
「また会える?」
「すみません…同じ人とは会わないって決めてるから」
わたしは誰かに求められた。それで満足。優しくしてくれて嬉しい。
一人暮らしの部屋に帰ると、途端にさみしくなって布団に包まった。暗闇も怖くて。寂しくて。この世から消えてしまいたいとさえ思う。こんな汚れた女なんか誰もいらないでしょう。できることなら最低まで堕ちてしまいたい。
真っ暗なところを目を凝らして見てみると、またなにかが見えてきそうでジッとみつめて夜が明ける。時が過ぎるのは早い。