この声が枯れるまで
「兄ちゃーーん」

ライブが終わって汗だくの兄、一輝はバンド限定のタオルを首に巻いて帰ってきた。


真っ先に兄ちゃんの歌が聞きたかった



「隼人は歌作んねーの?」


「作れるわけないじゃんか。俺は、好きなアーティストの曲をギターで弾くだけで十分だよ」


俺は少し強がってそんな事を言ってみたけど、やっぱり歌を作りたかった。


でも自信がない


まだまだ未熟な自分がいた



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