この声が枯れるまで
修学旅行

「………修学旅行初日に遅刻って…どんだけだよ?」

俺は母さんの赤い乗用車に乗りながら朝ごはんの代わりにバナナを口に入れた

母さんの赤い乗用車は最近近所のガソリンスタンドで洗浄したらしく異常にピカピカしていた


「もうお母さんったら…携帯の目覚ましならないと思ったら会社でけいたいをマナーモードにしたままだったのよ~~(笑)」


母さんはそう言うとミラーに写った自分の顔を注意深く見つめた

「母さんそんなよそ見してたら車にぶつかるよ」



「あらあらそうね!!私ったら」


そういい終えると少しの間沈黙が続いた


車を走らせる音がまるでアクション映画のワンシーンのように、激しいクラクションをならしながら、乱暴な運転は続いた。



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