この声が枯れるまで
「はいはい!はーーーい!櫻田隼人!歌います!」


俺は、そういってステージに上がった。


「おお!君は小学生かな?」


「はい!そーです!」

「おおー!今日はどんな楽器を?」


「ギターです。」


「ギターかあ!すごいね!それじゃあ、曲名を。」


ゴホン!俺は、咳払いをひとつして、こういった



『この声がかれるまで』







会場からは、盛大な拍手が聞こえてきた。



俺は目を閉じる。


ここは、兄ちゃんの部屋。


兄ちゃんがあの時、俺のために弾いてくれた…作ってくれた、歌。



この曲は俺の応援歌……




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