この声が枯れるまで
「っっブラボォォォォォ~~~~~~!!!」


ううっ。。浩二が大きくジャンプしてるのがみえた。恥ずかしいって!!そう思ったけどめっちゃくちゃ嬉しかった。俺の音楽でみんなを笑顔にさせることができる。それがただ嬉しかった。


そしてまた、この場所に立ち歌いたいと本気で思えた。



ーーーーーっとその時



「隼人っっ!!!!」



そこにいたのは……



「八木!!!!」


「どうした?八木……っていうか……泣いてる?」


「ご……ごめん!隼人。感動……しちゃって。」



八木は真っ赤なウサギのような目で俺を見つめた。うるうるしている瞳が涙のせいでよりいっそううるうるして見えて可愛かった。


「いい……曲だね。」


「ああ。俺にとっては特別な歌なんだ。」


「そっか。」


「……?」


「ねえ。隼人?」



「なに?」


「10年後。私絶対、隼人に会いに行く。別々の中学校に行っても会えない日が続いても……絶対10年後会おう。だからー・・・・その時は…」



「その時は?」


「私のために歌作ってくれないかな?」


「え!!」


今までは、兄ちゃんの作った歌を歌うだけだったから自分で歌を作るなんて考えたこともなかった。でもとっても新鮮なことだった。



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