溺れる唇

「い、いや、だからデートなんかじゃ」
「翔子さん」

ガシッと腕を掴まれ、私は反射的に
背筋を伸ばす。

「は、はい」
「男と女が、わざわざ他に用もないのに、
2人っきりでゴハンを食べに行く」


えーと、それはまさに、今回の状況ね。


「これは、立派なデートです」



ええええっ?!そーなの?



「そんなこと言ったら、私、いっぱい
デートしてることになっちゃうわよ」



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