溺れる唇

「翔子さんたら、相変わらずなんだから」

あゆみちゃんは両手を離し、“?”を
浮かべまくる私を見て眉をハの字にした。

「それに、今回は相手が三浦さんだって
ことが問題なんです」


・・・・・え?


「どういうこと?」
「見て、わかりません?あの見た目で、
営業企画部!28歳で独身ですよ?」
「そ、そうね」
「性格だって悪くないし、優しいし。
狙ってる女の子が何人もいるに決まってる
じゃないですか!」

あゆみちゃんの勢いに押される私。


随分と力が入っている。


そうか・・・・・


もしかして・・・



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