溺れる唇
「そうなんですか?」
「そうよ」
「もったいない」
あゆみちゃんは機嫌を損ねたように
口を尖らせる。
「そう・・・かしら?」
「ああ、でも、翔子さんはそういうの
興味なさそうですもんね」
少し酔っているのか、あゆみちゃんの目が
トロン、と気持ちよさそうに
リラックスする。
「そういうのって?」
「玉の輿~♪とか、安定した収入のイイ男
捕まえなきゃ!とか。
そういう、永久就職的なことです」
ああ・・・・・そういうの、か。