溺れる唇
「あ、この間のトラブルもあるから」
「ログですか」
「ええ、あと空いてるのがあれば、
そっちの様子も見て来てくれる?
正常に動いてるか確かめたいの」
「わかりました」
ああ、優秀な後輩がいると助かる。
爽やかな笑顔で芳賀くんが出て行き、
1人になった私は彼の作った報告書に
ざっと目を落とした。
見やすい構成になっていて、長さも
ちょうどいいくらい。
文字の羅列が、頭の中に渦を巻きながら
飛びこんで来て、酔いそうになる。
頭の芯が回るような感覚が襲って来た。