溺れる唇


・・・もしくは、肝臓の分泌液とか。





目を瞑ると、別れ際のあゆみちゃんが
にっこりと言う。

「翔子さん、頑張って下さいね!」

頑張ることなんて、何もないと言うのに。


「はぁ」


ため息をついたところに、ふっと耳元の
空気が動き、私はビクッと反射的に
目を開いた。

「起きてたのか」



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