溺れる唇
めんどくさそうに言われて、
しゅん、としてしまう。
ああ、歓迎会からコレだなんて・・・・・
酔った私の顔は、それとわかるほど素直に
頭の中を映し出していたのだろうか。
笠井さんは掴んでいた私の髪を、慰める
ように優しく撫でた。
「俺、さ。謝られんのって、あんまり
好きじゃないんだよね」
“好きじゃない”とか、そういう問題?
私は、今度こそ素直に気持ちを顔に
出してしまったらしい。
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