溺れる唇

だけど、目を閉じると、服の向こう側
からの体温が感じられて。

私のドキドキは、人肌の温かさに、
なぜか、安心へと移行してしまった。



厚い胸から聞こえる、落ちついたリズム。



ほう、と息を吐くと眠気が押し寄せた。



「着いたぞ」



言われて、ビクリ、と体が揺れたのは。

きっと、しっかり寝てたからに違いない。



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