溺れる唇

「昼からお粥って・・・」

まだ若い彼にすれば、ちょっと
物足りないのかもしれない。

店に漂う、食欲をそそる胡麻油の香り。

ほとんどの人は、Aランチの炒め物を
メインにした定食か、Bランチの麺と
ミニチャーハンのセットを食べている。


どっちも美味しそう。


体には無理だと言っているのだけど、
食べたい気持ちが盛り上がる。

我ながら、私の体は食物に貪欲だ。

「だから、言ったじゃないか」



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