溺れる唇

私は何気ないフリを装って、
ポケットからiPhonを取り出すと、
自販機にかざした。

ミルクティーと、裕馬用に
無糖の缶コーヒーを買って手渡す。

「はい」

ささやかすぎるけど、ランチのお礼。

「ありがとう」

頭を抱えていた裕馬は顔を上げ、
缶コーヒーを受け取ると、
ラベルを確認して、私を見た。


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