溺れる唇

入社式にいた?!

いないでしょ!


いつ入ったのよ?!


いつ?!



”?”ばかりが、頭の中を怒涛のように
流れる。


「翔子・・・だろ?」

私の頭の中を知らない男は、更に言う。

「俺だよ、俺」


“俺”なのはわかってるわよ。

っていうか、“俺” “俺”って、
アンタ、電話だったら詐欺かと
思われるわよ?


私が聞きたいのは、“俺”が!

どうしてここにいるのかってこと!!



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