溺れる唇

「あれ?まさか、忘れ・・・ちゃった?
俺、三浦だよ。三浦・・・三浦裕馬」



知ってるよ。

知ってる。



「ああ、うん・・・・・久しぶり・・・」


ちゃんと声が出て良かった。

久しぶりに会った元カレの前で、上ずった
声なんか出したら、恥ずかし過ぎる。


「良かった!忘れられてるんじゃないか
って心配になったよ」

「はは」


屈託のない、裕馬の笑顔。



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