溺れる唇

あれから何年も経って、
忘れかけた過去のこと。

昔のことだと、
言い聞かせてきたけれど。



私は今も、人知れずこっそり泣いた、
臆病な女の子のままだった。



どうして傷つけたの?!

と。



問い詰められたなら、
今頃は、楽になれたかもしれないのに。


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