溺れる唇

うろたえながら後ずさりした踵が、
何かにぶつかって。

「あっ」

ぐらりと傾いた体を誰かに支えられた。

緊張に固まる私の体。



「沢田?」

疑問形で投げかけられた声が、
ふわりと私を包む。

「大丈夫か?どこか・・・」


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