溺れる唇

「・・・少し赤くなってないか?」

笠井さんが自分の首の横を指差して、
意味ありげにニヤっと笑う。

「そこ」
「えっ?!」

思わず押さえたのは、
身に覚えのある首筋のあたり。

「くっくっく・・・」

そう。

面白そうに笑う、この人のせいで
気になってしまう場所だ。


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