溺れる唇
でしょうね。
6年いる私も知らなかったもの。
って、知ってどうするのよ。
「システム管理部ってどこにあるの?」
「地下」
答えて、私ははた、と思い出す。
「そんなことより、私は仕事をしに
来たんだけど?」
苦笑して言ってやると、裕馬は耳まで
真っ赤になって椅子を引いた。
「ごめん!!つい・・・こ、これです!」
デスクの上でファイルの山に埋もれるよう
にして置かれたノートPCを示される。
「失礼します」