溺れる唇

「どうして送って行かなかったの?」

言葉の向けられた先は私ではなく、裕馬。

「おかげで昨日は色々と大変だったよ」

ふふっと、
噴きかかる楽しそうな笠井さんの息。

「・・・・・な?」

昨夜のことを思い出し、
私は、かあっと顔を赤らめた。

「笠井さん・・・止めて下さい・・・」


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