溺れる唇

歩みよると、不思議そうに見上げた
裕馬の座るベンチに片膝を乗せる。

そして、もう片方の膝も、
裕馬の足の間に。

体を密着させた近さで向かい合うと、
驚きに見開かれた目を見下ろす。


「・・・ばか、なんだから・・」


「しょ」


目の前の唇が、自分の名前を呼ぶ前に、
私は自分の唇を押しつけ、
その動きを遮った。


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