溺れる唇

「うん。私がバカだったわ」

立ち聞きするなら、
最後まで聞けば良かったのだ。

「そうですよ!
大体、翔子さんは、イイ子過ぎます!
ワガママになって、もっと三浦さんを
困らせればいいんですよ」

かわいらしい後輩にビシッと
ひとさし指を突きつけられ、
私は笑う。

「そうね」

素直になれない私には、
とても難しいことだけど。

「今度からは・・・そうする」


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