溺れる唇

 ◇


「翔子ってさ、妬いたりしないの?」


PM14:25

溜まりに溜まった1週間の疲れを
たっぷりの睡眠で解消した土曜の午後。

来客使用に整えた私の部屋で、
そんなことを言う男。


三浦 裕馬。


「いきなりなに~?」


私と同い歳の28歳。

180cmを超える長身の爽やか好青年。

我が社の営業企画部、期待の星☆

(本人談)


そこそこ大人(なはず)の男が、
何を言いだすのかとおかしくなって、
思わず吹き出すと、軽く睨まれた。


やだ、真面目に訊いてるみたい(笑)


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