溺れる唇
付き合って下さい、と言っていた
あの女の子達を断っていた時、
既に私を想ってくれていたんだろうか?
なんだか申し訳ない気持ちになり、
私はそっと目を伏せる。
ごめんね、芳賀くん・・・
あのキスの後、顔を合わせてから
数時間迷った後、謝った私に
芳賀くんは言った。
『僕の方こそ、失礼なことをして
すみませんでした』と。
少し、ぎこちない笑顔で。
今の芳賀くんは、”いい後輩”に
戻っていて、私達は以前と変わらず
先輩後輩として、うまくやれている。