溺れる唇

「イイ子なの」

小さな声で呟いた。

「いい・・・後輩、なの」


裕馬はきっと、芳賀くんのことを
良く思っていない。

あんなところを見てしまったんだから、
当然だとは思うけど。

私にとっては、大事な後輩。


「だから、幸せになって欲しいの」


まっすぐな芳賀くんの想いをきちんと
受け止めてくれる人は絶対に、
どこかにいるはずだから。


「・・・わかったよ」


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