溺れる唇

そんな恋人を見つけての俺は、
口元を引き締めて深呼吸をする。


さあ、ついに来た本番だ。

この数日間の孤独なリハーサル通りに
しっかりと、俺の気持ちを
翔子に伝えよう。

もし、うまくいかなくても・・・


いやいや!

うまくいかない想像はしちゃいけない。


俺の気持ちはきっと伝わるはずだ。

再開してからまだ日は浅いけれど、
周りから見てもイイ雰囲気らしいし、
翔子も昔よりずっと俺に
心を開いてくれていると思う。


これは多分、俺の勘違いじゃない

・・・・・・・・・はず。



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