溺れる唇
「まだ昼休み前ですし、私はいいです。
他の方とどうぞ」
無表情で冷やかに言い切ると、くるりと
背を向けた。
皆の反応も怖いが、とりあえず、手に
持った物をどうにかしなくては。
「まあ、どうぞ」
どんな顔をして振り向こうかと考えて
いた所に、村田さんの声が聞こえて、
え?と振り向く。
なぜか、本当になぜかわからないが、
村田さんは裕馬をどうぞどうぞ、と、
ドアの内側へと招き入れていた。
「ちょっ!」
「翔子先輩」
芳賀くんも私に笑いかける。
そして、入って来た裕馬にPCを示した。
なに、これ、歓迎?