手の温もり
「いっつぅ…」

「よくもやってくれたわね!!!」

ゲシッ!

「痛ってえ…」

「あたしに喧嘩売るからこうなるのよ!!!」

「栞姉さん」

「何よ!!!零!!!」

「白井さんは栞姉さんが居ないときに何度も交渉に来ているのですよ?」

「…そうなの…?」

「あぁ。言っただろう。お前と組んでみてぇって」

なんでよ…なんでこいつは…

「なぁ…ダメか?」

「二人っきりにさせて。席を外して」

「はい…」

……

「何度も来たの?」

「あぁ」

「なんで?」

「見てみたかったんだよ」

「何を?」

「黒い羽の天使様ってやつをね」

やっぱりそれが目的…

「女なのに勇ましく仲間を大切にして,力だけで解決しようとせず,相手のことを良く考えて,優しい奴だと聞いた。戦場にいるのに綺麗な瞳をしたやつだと聞いた。だから俺は会ってみたかった」




「もう一度聞く」



「組まないか」
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