手の温もり
「うぅ…」

嘘だ…まだ起き上がるなんて…

懲りないやつね…

バキッ

ゴスッ

「嘘…」

まだ…立ち上がるの…?

いいわよ…もぅ…

あたしにこの人は傷つけられない…

「…わよ…」

「え?」

「負けでいいわよ…もぅ…無理…」

「へ?」

「零」

「へ?あっ,た,只今の勝負,白井海斗の勝ち!!!」

「みんな…白井を部屋に連れてって手当をしてあげて…」

「は,はい」

あいつの目…

体が動けなくても

目で動こうとしてた…

あたしが殴ろうとしたら

遅かったけれど確実によけようとしてた…

しかも意識はほとんど無かったはず…
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