手の温もり
まぁいいや。

めんどくさいし次の授業抜けちゃおっかなー

よし,そうし―――

「おい」

最近,いや今日めっちゃ考え事とか遮られるんだけど

「お前さっき来夏の者と聞いたが?」

「そうだけど?知り合いでもいるの?」

「ある意味な」

「憎い奴がいるのね。誰?」

「単刀直入に言うなお前、まぁいるちゃぁいるな」

「だから誰よ?」

「木村司」

「あぁ,あれね。あんなもんと知り合いなんてあんたどこの組の総長よ」

「天魔」

「てんま?」

「あぁ」

「ふーん,あぁ,あんたが『海の魔王』ねぇ。こんなんじゃ気付くわけもないんだわ。わざとだねぇ。なんで?」

「なんでもお見通してわけだな。お前,何者?」

「人の質問に答えなさいよ」

「めんどくせぇから」

「なにが?」

「いちいち敵を作るのが」

「意外な平和主義なのね」

「んで,お前は?」

「……授業サボらない?」

「…え…?」
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