【BL】咲き散る桜の元で…
「またアナタは……」
「なぁ、驚いたか?」
「驚きましたよ。」
「へへへ。じゃあ大成功だな。けど、俺に後ろ取られるようじゃまだまだだな。」
腰に手を当てて、時塚様はケラケラと笑っている。
「時塚様、楽しそうな所申し訳ないのですが、そろそろ剣術の稽古の時間では?」
「げっ………。」
「なんですか、その反応は?」
時塚様は稽古の時間の度に、こうして抜け出す。
「今日は気分が乗らない。」
「いつもの事じゃないですか。」
「だって上総(カズサ)の稽古厳しいんだもん。」
「時塚様を思っての事。お許しください。」
「せめてもうちょっと優しく……」
「なりません。」
溜め息とともに、ガクリと時塚様は肩を落とした。