【BL】咲き散る桜の元で…
「上総って本当に真面目人間だよな。」
「そういう性格なのです。」
「もうちょっと遊び心持とうぜ。」
「時塚様は持ちすぎですね。さあ、行きますよ。」
「はぁ……はいはい。」
半ば引きずるように時塚様を稽古場へと連れて行く。
途中、桜の木が視界に入った。
「見てください。桜が満開です。」
「ん?あ、本当だ!」
「見事なものですね。」
「遊び心がない上総でも、花は愛でるのか」
「私だって人ですからね。花は好きですよ。」
「ふーん……よし!」
瞬間、体が外へ弾き出された。
「な、何をするんですか?」
「へへへ、ほら行くぞ!」
時塚様が俺の手を引き、桜の木の元へ走り出した。