【BL】咲き散る桜の元で…
「知らないのか?小指を絡めるんだ。」
「知っていますよ、それぐらい。」
時塚様の小指に自分の小指を重ねる。
「約束です。」
今度は時塚様が面食らったような顔になる。
「どうしました?」
「いや、上総もそんなに優しく笑えるんだな…。いっつも難しそうな顔してるから」
「時塚様が毎日稽古に励んでくだされば、そんな顔はいたしません。さあ、約束も済んだことですし。稽古の時間です!」
「あー………忘れてなかったか…………」
うなだれる時塚様の手を、今度は俺が稽古場まで引っ張って行った。