四角関係。



アイツ、絶対楽しんでやがる ―…



「結衣、今日時間かけて
 髪セットしてきてんだから

 気をつけなさいよ?」




隣から聞こえた真希の言葉に再度、驚くオレ。




「え、まじ!?」


「当たり前じゃん、

 だって今日夏祭りだし浴衣だし。
 あたしもこの髪型時間かかったし」



「あぁ、いつにも増して真希の頭
 クルクルしてるもんな」



「はぁ、馬鹿にしてんの?」




ガミガミ言う真希を背に、もう一度謝ろう、そう思い振り返えれば


結衣の頭にポン、と手を置く透太と
嬉しそうに笑う結衣の姿が。






「なんかあそこ、
 いい雰囲気じゃない?」



そう言って笑う真希の言葉に、オレは2つの意味での焦りを覚えた。



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