溺れる。
プロローグ
表すなら、波。
気付いた時には手遅れで、
金縛りのように動けなくなった私に助かる術はない。
波に呑まれた私は
優しくて強い大きな手に
見つめる鋭い瞳に
低くて威圧的な声に
甘さと苦みが混じった香りに
ただ、溺れるだけ。
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