溺れる。




「ちょっ、待って…」

「もっかい」

「は、…っ!」



ご飯の途中だというのに、キスを繰り返す塚本さんに、小さく抵抗の意味を込めて胸を押し返すが、やはり男の力には敵わず。



押し返すどころかその手首をパシッと掴まれ、背中に回される始末。



これじゃ余計近くなっちゃう…!



予想通り更に近くなった距離に焦って気が動転する私とそんな私を知ってか知らずかからかうように腰に回した手に力を入れる塚本さん。



こうなった塚本さんは、もう止められない。

私だってだてに3年も一緒にいるわけじゃない。このくらいのことはわかる。だから私は抵抗を止め、大人しく強引に背中へと回された手に力を込めてギュッと強く目を瞑った。



私のそんな反応がわかってたように、少し唇を離した塚本さんは、フッと優しく微笑むと、瞼を軽く撫で、再び顔を傾けた。




< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop