新婚さんの事情
「ほーい」
「あっ」
キノがいきなり自動販売機で買ってきた
缶コーヒーを私の額にひっつけたのでビックリして
声がでる
よ
「ありがとう、てか私がミルクコーヒー好きなのいつ話したっけ?」
キノはその凛とした瞳で私を一回見てから
そして夜空を眺め、言った
「んー、高校の頃かな」
「えっ、高校?普通そんな昔のこと覚えて無くない?」
私はちょと笑いながらった
「覚えてるよ、だって...」
キノはそう言いながら目線を下にむける
「え?だって?」
「んー、今は言わないっ!」
キノはちょっと照れくさそうに言った
「えー!そんなんもっときになるじゃん!言わなきゃ、その綺麗な髪ぐちゃぐちゃにするぞっ!」
私はそう言いながらキノの髪を崩そうとする
「うわ、やめろし!じゃあ、こっちは...」
すると、キノはキノの髪を崩そうとする私のほっぺたを
両手でつまんだ
「うー、いたっ!はなし...」
するとキノは私の言葉を遮り
「ほら、笑った」
「え?」
キノのその綺麗な顔がにこりと笑う
「ほら、この頃ちゃんと笑ってなかっただろ?さっきのやり取りと俺のつまんだので2回笑った」
そう、私は青田と別れてから
ちゃんと笑ってなかった、キノと付き合っていながらでも
それをちゃんとキノは分かってくれてたんだな
キノはどうして私の事ちゃんと分かってくててるの?
すると私の目から涙が溢れてくることが感じられた