新婚さんの事情
「木下秀介」
僕はブっすとした感じでいった
「木下秀介...、じゃあ、キノね!」
彼女は目を輝かせる
「は?なんだよ?いきなり、キノって!?」
あの時の僕はひねくれてたもので
彼女の発言にいちいち反する
「あだ名だよ、あだ名!キノね!キノ!」
そんな僕にまっすぐな目線で見つめる
「うっせーなぁ、もう、分かったから、勝手に呼んでけ」
僕はきっとその目線にやられただろう
「やった!私は一途名光!よろしくね!キノ!」
その時だった
その言葉を言った後の
彼女の笑顔
窓の外の太陽より輝く笑顔
僕はその笑顔を見た瞬間
何かに取り付かれたような感触を覚えた