なえる
 次の週末も、みよしは公園に出かけた。前日の金曜日に三田村とは会っている。

 公園に三田村の妻がいた。今日は、女の子と男の子を連れてきていた。子供の動きを見て、笑顔を浮かべている。

 その笑顔を見て、みよしは不快な気持ちになった。みよしは心の中で話しかけた。

「昨日も私はあなたの旦那に抱かれたのよ」そう思うと幾分心が軽くなった。

 その日も三田村の妻と目が合った。一度目は少しビクビクしてしまったみよしだが、今回は強気な視線をおくった。

 どうして自分がそんな気持ちになったのかはわからない。三田村に知られないように影から見るつもりとは裏腹な行動にみよしは自分でも驚いた。

 三田村の妻はそんなみよしの視線に少し怪訝な顔つきをしたが、それ以降みよしの方を見ることはなかった。
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