なえる
「主任は私と会えない週末を気にかけないんですか」

 そう言うと、三田村は笑った。

「まさか。君には君の生活があるだろう。俺にだってあるからね」

 みよしは言葉を失った。三田村は笑顔でそう言って、ビールを口に運んだ。

「主任にとって、私ってなんなの」

 涙を浮かべるみよしを見た三田村は、抱きしめるわけでもなくただ一言こう言った。

「重い話しはやめよう。これから楽しく遊ぶんだから」

 そして、みよしを抱くだけ抱いて午後十一時半に帰っていった。
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