なえる
「あの人に負けてる」

 あの人は、肌も髪も綺麗でハリとツヤがある。友人もたくさんいて、笑顔の週末を過ごして、愛する男の子供の母親をやっている。

 三田村の妻の美しさと自分の腐乱さに愕然とした。

 三田村はいつからこんな自分を見ていたのかと思ったら、恥ずかしくなった。

 しかし、みよしの肌が汚いことも老けていくことも、三田村は関心などない。

 みよしが週末をどう過ごしているのかも気にしないのだから。
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