なえる
ただ一つだけ会話に入らないテーマがあった。三田村のことだ。他の女子社員が話すことに黙って相づちを打つだけだった。
会社の中でみよしは大人しいと思われている。確かにその通りだから、周りからそう言われても気にしないし、男子社員が自分を女として見ていないこともどうでもいいことだった。
なぜなら、みよしは週に一度三田村に抱かれているからだ。
昼休みの時間が残り十五分になると皆、化粧室へと向う。油とり紙で額や頬の油をとり、口紅を塗り直し、ファンデーションを塗りこむといった同じ動作を四五人がし始める。
そしてランチのお喋りが終わるわけだが、三田村のことを話したときの最後はいつも同じ言葉で締めくくられた。
「奥さんがいなければ良かったのに」
この言葉に対してみよしは大きく頷きたくなるが、グッとこらえるしかできなかった。
会社の中でみよしは大人しいと思われている。確かにその通りだから、周りからそう言われても気にしないし、男子社員が自分を女として見ていないこともどうでもいいことだった。
なぜなら、みよしは週に一度三田村に抱かれているからだ。
昼休みの時間が残り十五分になると皆、化粧室へと向う。油とり紙で額や頬の油をとり、口紅を塗り直し、ファンデーションを塗りこむといった同じ動作を四五人がし始める。
そしてランチのお喋りが終わるわけだが、三田村のことを話したときの最後はいつも同じ言葉で締めくくられた。
「奥さんがいなければ良かったのに」
この言葉に対してみよしは大きく頷きたくなるが、グッとこらえるしかできなかった。