雨降り少女
それから毎日、彼の所に通った。
彼の笑顔が大好きだった。

雨の中で輝くエメラルドグリーンの髪。

大好きな時間…………



その時は…………ある日突然終わった。
雨が降らなくなったのだ。

緑が萎れ、強い日が刺す。

彼の褒めてくれた髪は、エメラルドグリーンから砂をまぶしたような朽葉色に色を変え、みずみずしかった肌には、しわが目立った。

彼のところまで歩く間にも、エメラルドグリーンは姿を消し、朽葉色が私の体を蝕んだ。


彼のスタジオの入口で待っていた私に、女性が気付いた。
「色がちがうけど……あなた彼女よね………彼女…きてるわよ~」
女性は戸惑いながらも、いつものように彼を呼んだ。

女性すら私であることを疑うような状態で…でも彼だけは………気付いてくれる信じていた。


顔を出した彼は私を見て、一言吐き捨てた。



「何、その汚い色…僕そんな子知らないよ」






















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